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企業戦略からゲームの立ち回りまで、便利なランチェスターの法則

2021.10.23


企業戦略からゲームの立ち回りまで、便利なランチェスターの法則

企業戦略からゲームまで、応用幅の大きなランチェスターの法則について、FPSやTPSで使いやすい解説をしていきます。

今回ご紹介するのは、e-Sportsから経営戦略までカバーする戦術理論、ランチェスターの法則のお話です。

戦術理論と書くと戦争的な表現に感じられますが、この理論、考え方をベースに物事を考えると、方針がとても立てやすく、振り返りの指針もまた手軽にできるというメリットがあります。

今回は主にゲーム、TPSやFPS系ゲームで活用する場合を中心に解説していきます。

①そもそもランチェスターの法則とは?

戦争における戦略理論の一つです。

戦争でどうやったら勝てるか?どうなったら負けるか?を数学的な計算方法を用いて行う法則です。

数学という言葉を聞くと、堅苦しそうに感じますが、最初に説明した通り、ゲーム感覚で理解できる、がポイントになります。

実際にFPS系ゲームやリアルタイムストラテジー系ゲームでも基礎から効果があり、ランチェスターの法則をベースに起きつつ、戦術展開をする事で勝率をあげる事ができます。

局地的な戦闘であれば、荒野行動やPUBG、レインボーシックスシージやバトルフィールドなど、恐ろしく適用しやすい考え方でもあります。

実際のゲーム上に置いて、複雑な計算をしている時間も無いのですが、ランチェスターの法則は、公式が簡単なだけに、瞬時に計算ができるメリットもまたあります。

②実際に戦術をFPS系ゲーム展開してみる。

ランチェスターの法則では以下の計算式を使って考えていきます。

戦闘力 = 兵士数 x 武器効率

武器効率は、FPS系にあてはめると、スキルレベルやキャラクターレベルと武器が該当します。

この時、本来であれば、プレイヤーの練度やスキルを考慮したいのですが、一旦考えずにいきます。

③実際に計算してみよう

仮にこのようなシチュエーションがあったとします。

自分も敵も同じ人数で、同じクラスの武器を持っています。

この時、あなたはどのルールで仲間と進軍し、仲間を助けにいきますか?

この時の考えられる進行ルートは、以下のようなルートになります。

-1:2人で上迂回ルート
-2:直進ルート
-3: 2人で下迂回ルート
-4:各1人で挟み撃ちルート

この時、もっとも勝率の高いルートは、仲間と共に、
-1:上迂回ルートか、-4:下迂回ルートになります。

というのも、見えていないだけで、実際に敵が隠れている(アンブッシュ)、敵数が読めない以上、直進ルートがキルゾーンになっている可能性があります。

この時、隠れる場所はさておき、対する敵としては上と中央の敵のみとなります。

個々の戦闘力が同じであった場合、兵士数が多い方が有利になりますので、2対2であれば、50%の確率で勝てる可能性があります。

逆に、仲間を助けるために中央突破をした場合、相手のキルゾーンに突入するため、3対2で勝率が33%まで下がる形になります。

ここで、スキルがあるゲームの場合は、スキル差分を計算していきます。

ランチェスターの法則で注意しなければならないのが、自軍を高く見がちである、という点に注意して計算をしていきます。

スキルレベル制が導入されているゲームであれば、スキルレベルをMAX:1.3/中:1.2/1:1.1と3段階に別けて計算します。

武器に関しては、キャラクターレベルに依存するケースが多いので、これもMAX:1.3/中:1.2/1:1.1と3段階にわけて計算をしていきます。

上記のシチュエーションで、

自分:スキルレベルMAX:0.3 キャラクターレベルMAX:0.3
フレンド1人目:中間:0.2 キャラクターレベル:0.2
フレンド2人目:倒れていて、救援待ち =0 

と仮定すると、ランチェスター式計算で自分のチームの戦闘力は、
戦闘力(2.5) =兵士数(2) x 武器効率(平均1.25)

ここで、敵チームが、武器効率(平均1.25)だった場合、キルゾーンに突っ込んだ時の計算結果は、
戦闘力(3.75)=兵士数(3) x 武器効率(平均1.25)
計算すると、実に1.25もの戦略差が出ています。

この計算で、武器効率を1(スキルレベル最低)と換算しても、敵チームの戦闘力は3となります。

今回のようなシチュエーションで勝利したい場合は、兵士数差か、武器効率(スキル/キャラクターレベル)かどちらかが高い状態で戦闘をしていく事が勝率をあげる方法になっていきます。

攻略サイト系を読むと、”強ポジ”(強いポジション)を確保しよう、といった文献が見つかりますが、強ポジよりもどのように戦闘力が高い状態を維持、構築するかが重要になります。

さきほどのシチュエーションで、敵側の部分が自分達であった場合は、如何に相手と数で勝利できる場所に誘い込むか、キルゾーンを構築し相手を誘導するかが重要になります。

ApexLegensdやFortnite、TitalnFallの場合、3次元的な動き、高所をつかった方法があり位置取りによる優位性も考慮が必要になりますが、キルゾーンの構築距離が変わってくるだけで、基本計算には影響がありません。

今回のようなシチュエーション計算式は、ランチェスターの法則において、第一法則と言われています。

第一の法則は、原始的な戦い、剣を持って戦う場合や局地戦などのCQB(Close Quatres Battle)の計算で用います。

このため、FPSやTPSの場合は、第一法則が適用されていきます。

近年流行しているサバイバルゲームの場合は、武器効率は、銃がレギュレーションで決まっているため、武器効率は1として計算をしていきます。サバイバルゲームの場合は、相手を数でおせるシチュエーションを構築するか=どうやってキルゾーンを構築し、誘導するかが重要になります。

ゲーム中において、瞬時に計算をするのが難しいので、自分のチームは予め計算をしておきます。

相手チームは、高めに計算をしつつ、動いていきます。

ゲームの場合は、武器効率は同じようなレベルになるように設定されているので、戦力を集中するような運用が大切になります。

また、ゲーム実況やe-Sportの大会などで上手いプレイヤーの動きをよく観てみると、連携して戦闘力を高い状態で維持するか、最悪のケースであっても1対1になるように動きをとっているケースが殆どです。

この場合は、相手の死角から必中の距離まで近づき、奇襲攻撃により撃破になるため、相手に気が付かれるまでのほんの数秒間のうちに倒して、逃げるのが定石になります。

④リアルタイムストラテジー系で、第二法則を使ってみる

リアルタイムストラテジーの場合は、第二法則を適用していきます。

AOE:エイジオブエンパイアやスタークラフト2などは、こちらの計算式を基本にしつつ、局地戦が発生するため、第一法則も使っていきます。

第二法則の計算式:
戦闘力 = 武器効率 x 兵士数の2乗

ランチェスターの法則において、第二法則では、近代戦争で使用していきます。

ゲームにおいては、全体を俯瞰して今の戦力差を分析するのにつかいます。

第二法則は、局地戦では無く大局的物の見方で使用していきます。
映画では、ダンケルクの戦いやハンバーガー・ヒル(アパッチスノー作戦)や、関ヶ原の戦いなどに使っていきます。桶狭間の戦いやローン・サバイバーのような局地戦の場合は、第一法則で計算になります。

ゲームの場合、特にリアルタイムストラテジーの場合は、全体に第二法則をあてながら、第一法則で局地戦をどうするかといった計算に使っていきます。

今発生している局地戦が有利なのか不利なのか、この局地戦を防衛しつつ、相手を摩耗させるのか、自軍のユニット生産を優先させる、など。

全体を見つつ、どう戦略を立てていくかの指針に第二法則を使っていきます。

ランチェスターの法則をゲームで使っていく場合、殆どが局地戦のケースが多く、第一法則を覚えておけば、戦略をたてるのに、楽ができます。

ここまで説明をしてきたランチェスターの法則ですが、わかりやすさ優先のため、局地戦という一つのシチュエーションだけでしたが、本来6つのシチュエーションで計算をしていきます。

第一法則
-1:一騎打ち
-2:局地戦
-3:接近戦

第二法則
-3:確率戦
-4:広域戦
-5:遠隔戦

ゲームにおいては、第一法則のシチュエーションが殆どになるため、実際第一法則しかほぼ使いません。

第二法則は第一法則を踏まえた上で、リアルタイムストラテジーなどに使っていくため、個々の局地戦を第一法則で考えていくほうが圧倒的に早く、楽なんですね。

e-Sportsの場合、場数に慣れたプレイヤーは、計算しなくてもどのように動けば勝算があるか肌でわかっているのですが、脱初心者や、中級者で勝率があがらなくなってきた時に、このランチェスターの法則を考えながら動きをとっていくと、スランプから抜け出す一つのきっかけになりますよ。